Grace (グレース) は我が家の長女の名前です。
2003年の10月にテキサスで生まれているので、アメリカの名前は Grace なのです。日本名はミドルネームに入っています。
今週の6月18日で Grace がキンダー (幼稚園) を無事に修了し、今年の秋から1年生に進級します。
Grace はこの1年、一生懸命勉強して、彼女なりに悩みながらも、頑張って楽しく幼稚園を過ごしました。
はじめは、寝ていてもうなされていました。
5歳の子の中でもいつも一番小さい Grace が、うなされながら寝ている。。。
とてもかわいそうでもあり、健気でもあり、かつ、誰もが通る道なのでたくましく乗り越えて欲しいと思いつつ見守ってきました。
とても頑張りやでおりこうの Grace。
今日は Grace がキンダーが入るにあたり、不安に思っていたこととその結果、それと思い出を振り返ってみようと思います。
アメリカの幼稚園は落第も全く珍しくない
アメリカのキンダーは基本的に1年だけですが、必要な学習内容を習得できていない場合はもう一年通うことになります。
何しろ5歳の子供の話ですから、早生まれの子供は学習に不利です。アメリカ人の普通の子供でも、特に早生まれ(9、10、11月生まれ) の子供は1年遅らせてキンダーに入学するのが普通です。
入学してから気付いたのですが、早生まれで4歳でキンダーに入学しているのは、20人のクラスで、なんと Grace 一人だけです。
さらに日本人で英語ができないなら、学習の習得に不利なのはあきらかです。というか、これまで英語で何かを教わった経験などないのですから、先生に英語で指示されても確実にチンプンカンプンなはずです。
Grace は英語の苦手な両親の日本人家庭育ちで早生まれ・・・
アメリカ人の家庭に育った普通の子供でも2年通う(あるいは1年入学を遅らせる)のは珍しくないのに、果たして日本人の家に育って英語も全くわからない、早生まれの Grace がキンダーをきちんと1年で修了できるのか不安でした。
「1年遅らせるのが普通なら Grace だって遅らせればよい」 という考えもあるとは思います。しかし、僕としては義務教育で習う程度のことはさっさと修了してしまい、1年でも早く大学でより進んだ教育を受けてほしいと思っていますので、できることなら1年で終わらせたいと思っていたのです。
もっとも、僕も妻も日本の学校しか通ったことが無く、英語は大の苦手。そんな親が、子供だけはしっかりやって欲しいと言うのですから、身勝手といえば身勝手なわけですが(苦笑)
「子供は英語をあっという間に習得する」 はウソ。確かに大人よりはずっと早いが、子供も子供なりに苦労する
2008年9月。Grace は近所のキンダーに入学しました。
キンダーに行く前は 「早く学校に行きたい!」 と言って入学を心待ちにしていました。

(写真. 入学初日の Grace です)
しかし、すぐに学校がストレスになっていったようです。無理も無いですよね。初めて何時間も親と離れて勉強しなければならないのに加えて、英語も全くわからないのですから。
はじめは、寝ていても夜うなされていたり、可哀想な状態でした。 「はじめは学校に行きたいと思っていたけど、今は学校行くより、お休みの日のほうが楽しい」 とも言っていました。
それまで、いろいろな人から 「子供は語学の天才だから何も心配要らない」 と言われていたのを真に受け、あまり心配しなくなっていたのですが、結局 Grace は英語で苦労している。それまで英語を勉強していないのだから、わからなくて当たり前です。
後からもっといろいろな話を聞けば、両親が日本人の場合、子供が英語に慣れるのに1、2年かかり、自分から英語を話し始めるようになるまでは、2、3年かかるようです。「数ヶ月で英語ができるようになる」 という人は、両親のどちらかが英語のネイティブなどで英語学習環境として恵まれている場合に限るようです。
少しずつキンダーに慣れていった Grace
ところが友達もでき、英語にもなれてきたのか、徐々にそういうことはなくなっていきました。
はじめはあまり良い成績も取れませんでしたが、特に算数が得意なことが自信になっているらしく、算数と理科でよい成績を取れるようになってきました。
進んだカリキュラム ~ アメリカの教育は学区によって大きな差がある
こちらのキンダーでは、「アルファベットを読む・書く」 「先生が発音したとおりに英単語を書く」 「2桁の足し算・引き算」 「決められた単語から英文を書く」 など、意外と進んだ内容まで習得しなければなりません。このため、宿題もほぼ毎日あります。
僕ははじめ、「アメリカでは4、5歳で入る公立の幼稚園でここまでやるのか」 と驚きましたが、後になってどうやら学区によって差があるらしいということもわかってきました。
アメリカの公立学校の学区は、住む場所によって決まるのは日本と同じです。しかし、アメリカでは良い学区、悪い学区の差が歴然としています。良い学区では進んだカリキュラムが用意され、宿題もほぼ毎日出ます。また、問題のある子供たちに対するサポート体制なども、良い学区では充実しています。
そのため、良い学校に通わせたい場合は良い学区へ引越しをしたり、越境入学させたりします。
ちなみに、このような影響もあり、学区の良いところは人気があるので家賃も高騰します。今通っている学校の学区は大雑把に言って、「上の中」 くらいの学区ですが、今私が住んでいるアパートは築数十年の小さなアパートですが、家賃は日本円で15万円程度です。これでも相場から言えばずっと安い方です。
逆にもっと家賃の安い地区では、学区も自然と悪くなり、教育レベルがガクンと落ちます。
アメリカではある生活レベル以上のところでは、かなり進んだ教育をさせています。しかし、生活水準の低い多くの人はあまり良い教育を受けません。これも格差社会の一側面だと思います。
Grace の勉強のお手伝い
そんなわけで、Grace はこの一年、必死に英語の勉強や足し算・引き算の勉強をしてきました。
しかし、その中でたった一日だけ、勉強ができないからと泣いて、学校に行くのを嫌がった日がありました。
僕はその日、朝少し時間をとって、Grace に勉強を教えることにしました。そのときに使ったアルファベットの教材はこちらです。

算数の教材は僕が作りました。

こんな教材(?)を 何十枚もプリントして Grace と何度も勉強し、うまく行くたび褒めていたら、かなり自信がついたようです。
後日で勉強した紙を何十枚も束ねたものを、学校の先生にも見てもらいました。
サイエンス・フェアの優勝
さらに、自信をつけることになったのは、Grace がサイエンス・フェアで優勝したことだと思います。
サイエンス・フェアというのは、科学の自由研究の発表会です。Grace はこれでキンダーの学年で優勝することができました。
「どんな素材で糸電話を作れば一番良く聞こえるか?」 という単純なテーマで家族で取り組んだものだったのですが、アメリカではあまり糸電話が一般的でないこともあり、発表会でとてもウケたのが良かったようです。
「日本にあってアメリカにあまりなさそうなものをテーマにしよう」 と狙ったのが的中したあたりは、われながらうまくやったな思いましたが (笑)。

どんなテーマ、内容、理由であれ、これによって 「サイエンスで優勝」 というタイトルを取ったことは、本人の自信になったようです。
学区全体でサイエンス・フェアの表彰式がありましたが、そのときの様子はこちらです。

今週無事に修了。秋からは1年生へ進級
Grace: (はにかみながら、何度もうなずく)
僕: 「何が楽しかった?」
Grace: 「うーん・・・『遊ぶところ』 ??」
僕: 「お勉強は楽しかった?」
Grace: (はにかみながら、何度もうなずく)

名前: 小山圭介 (おやまけいすけ)
